カテゴリー「お客さま対処法」の18件の記事

ガッツあるリクエスト

人間、不可能だとわかっていてもどこかで希望を持ってしまうのか、聞いてみて損はない、ダメもとでやってみようと思うのか・・・

ビジネスクラスでの珍事。

<case1>

搭乗中、ウェルカムドリンクを提供する大将を欧米人ビジネスマンが呼び止めた。

'Excuse me, can I ask you something?'

'Yes, Sir.'

'I have my wife in economy class. Is there a chance to bring her here? We'd like to sit close to each other during the flight.'

(妻がエコノミークラスにいるんだけど、ここに連れてくることは可能ですか?フライト中近くにいたいので。)

なんと!

この方、身なりはしっかりしてるのにエライこと要求するわね。意外。

'I'm aflaid that we are not supposed to do so unless a customer accepts an extra charge.'

(恐れ入りますが、アップグレードは差額をいただかないとできないことになっております。)

'Oh...O.K.'

(あ・・・そうですか。)

'You may visit your wife in economy class at any time. Fortunately, we've got plenty open seats there.'

(エコノミークラスへの出入りはどうぞ自由になさってください。幸い空席も十分ございますし。)

'O.K. Thanks.'

(わかりました。ありがとう。)

<case 2>

その5分後。

離陸直前、今度は日本人ビジネスマン。

「あ、ちょっとすいません。」

「はい。」

「あの、今日ビジネスクラス空いてますよね?」

「はい。ご予約は半分ほどですが。」

「僕ね、後ろに妻と子供がいるんですよ。前に連れてきちゃダメですか?」

・・・

本日2回目・・・絶句。

この方も身なりはいいのに。

残念至極。

プンプンよ。それに日本語でいなすのは苦手だっちゅうに。

「恐れ入りますが、後ろというのは・・・?」

「あっ!エコノミーです。」

(少しの間)

よしできた。

「お気持ちお察しします」の、ちょっと悲しい顔。

さあ、いざ!!

「申し訳ありませんが、致しかねます。」

「ダメですか?」

何なのよこの人!! ダメ押し??

「そうですね、お支払いいただかない限りは・・・」

「あ、そう。わかりました。」

―――――

<結論>

後から判明したことだけど、お二人ともお勤め先の企業がチケット代を払っているパターン。出張に同行したご家族は自腹。セコイわね、家族のチケット負担のみで全員ビジネスに座ろうと企むとは。

反面、こういうガッツあふれる日本人が少なくなってきてるのも事実。特に青年男子。NOが怖くてプロポーズもできず、彼らのためにXデ―をアレンジする会社は大儲けらしい。情けなし。

見よ、上のお二方の特攻隊的アグレッシヴネスと、断られてもケロリとしている強靭な精神を!

腹は立ったが学ぶところは多いぞ!!

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集団sick

オランダ→日本

離陸後のサービスで食事を残した学生の男性客がいた。

「お食事召し上がりませんか?」

「あ、もういいです。」

「お下げしますね。」

トレイを回収しながらそれとなく様子を見る。

「・・・お水ください。」

「かしこまりました。」

若いのにmeal skipなんて疲れてるのかしら。

狭い通路での回収作業も終わりに近づいたその時、背後のトイレで人の気配が。

パタンと戸が閉まる。

さっきの男性?なんだかすごく急いでいたみたい。

トイレから正面(機内後方)へ視線を戻すと、若い女性が「通してほしい」と言いたげな表情で立っていた。そうするには目の前で通路をふさぐ私のカートを非常口付近まで引き戻す必要がある。

「お化粧室ですか?」

「はい。」

「いまお通ししますね。」

パタパタ・・・

・・・バタン

あらこっちもurgent(緊急)?

キャビンでしばし考える。

食事残した方、数人いたよね。回収中いつも以上に「お水ください」って言われた。しかもみんな若い乗客。いつもなら年配のお客さまがお薬用に頼んでくる程度なのに。

オランダ人クルーに尋ねたら、即答。

「さっきトイレへ行った人私のエリアのお客様よ。食事まったく手をつけてなかった。」

勘が、悪い方向へ働く。

トイレに駆け込んだ女性のお友達らしき方に声をかけてみた。

「失礼ですが団体旅行のお客様ですか?」

「はい」

「添乗員さんの座席番号をおしえてください。」

―――――――

添乗員である女性は明らかに動揺していた。簡単な質問に対しまとまりのない長いセンテンスを返してしてくる。

それでも会話の中から

①グループ構成が 高校生22名、教員2名、添乗員1名、計25名だということ

②飛行機に乗る前、2~3名の生徒が吐き気を訴えていたこと

③今朝は早起きしてロンドンを出発した上乗継ぎもあったため疲れが出たのだと理解したこと

など、重要な情報をいくつか拾い取った。

今度は「先生」と呼ばれる男性の元へ。

現状を説明し質問に入る。

先生が最初の質問に答えようとしたとき、となりに来ていた添乗員さんが「あの、」と水を差した。

彼女は先生に耳打ちし、先生は方耳を預けながら何度も頷いていた。急ぎ足でその場を立ち去る添乗員さん。

怪しさ120%・・・

ま、予想はつくわ。とにかくクルーに報告ね。

先生との短い会話の後、ギャリーへ向け歩き出すと・・・

!?

目に入った光景に思わずOh My God !!

添乗員の女性が何やらメモをかざし、生徒の席を回っている。

メモを読み終わり「わかった」と無言で頷く生徒たち。

まったく!

さっきの耳打ちといいコレといい、なんて古典的かつわかりやすい内緒話・・・

あークラクラしてきた。

背後に近寄り、その無謀な活動を止める。

「それ(メモ)をこちらに渡してください。」

「(ハッ!!) なんでもありません。」

「お客様の健康状態を把握する必要があります。メモに何が書いてあるかおしえてください。」

「それは・・・できません!」(メモを隠す)

「そうですか、わかりました。」

はーヤレヤレ完全に嘘ついてるなこの人。

とにかくギャリーへ戻ろう。パーサーに報告ね。

ギャリーはすでにトイレご用達団体の話題で持ち切り。待ってましたとばかりに大将を出迎えるオランダ人クルー。ほれごらん、みんな気づいてるっちゅーの。

「さっき新規の(?)生徒がSick Bag持ってそこのトイレに駆け込んでったの!」

「席でぐったりしてる子もいる。」

「みんな水ばかり頼むんだもん、絶対おかしい!」

あーだこーだ協議の結果、添乗員さんを問い詰めて事実を吐かせようおしえていただこうということに。

ハイ、特攻隊長再び行ってまいりまーす。

「お客様、すみませんが再度お話をうかがえますか?」

「あ、ハイ・・・」

あら今度はすんなりだわ。

話が長くなることを予想しギャリーへ移動。メモについて改めて問いただす。

「あの・・・、正直に申し上げます・・・」

―――――――

そこには想像以上に悪いシナリオが用意されていた。

《おう吐・下痢を訴えた生徒の数(合計)》

05:50 ロンドンのホテル出発時・・・3名

14:00 アムステルダムにて、日本線搭乗前・・・6名

17:30(現在)・・・8名

あれ?

さっき聞いた時は「搭乗前に2~3人」って。だいぶサバ読んだわね。

しかも搭乗してからの数時間で8人に増えてる。

22人中8人

食中毒?感染症?何かが疑われる人数と症状。

いま現在もトイレから出てこられない女子生徒を思い浮かべる。

「この件は搭乗前、グラウンドスタッフにお伝えいただきましたか?」

「・・・いいえ。」

「すでに6人が同じ症状を訴えていたんですよね。22人中6人。航空会社側としては知らされていなければならない情報なんですが。」

病気の客を乗せたいエアラインがあるだろうか。

―あらゆるリスクを排除する―

旅客便の鉄則だ。

搭乗時、乗客の健康状態や持ち物に目を光らせ怪しいと思えばただちに報告、必要な場合はオフロード(旅客を降ろすこと)するよう、われわれクルーは徹底的に教え込まれる。

だから出発前グラウンドスタッフと最後の挨拶を交わしドアを閉める瞬間は、今でも緊張する。

それが意味すること=「あとは私たちでやります」 だから。

「あの・・・」

小さな声で女性が続ける。

「生徒たちには搭乗前、グラウンドスタッフやクルーさんに知らせないよう指示しました。乗せてもらえなくなるかもしれないと考えて。先ほどのメモですが、この先体調が悪くなったら正直にクルーさんまで申し出るように、と書きました。」

やっぱり・・・

となりにいたパーサー、ぽかーんとあきれ顔。

そうよね。のっぴきならない事情で臨月なのを隠して乗ってくる外国人妊婦はさんざん見たけど、集団ウソの日本人患者は大将も初めてよ。言いたいことはわかる。

「キャプテンに追加情報持ってくからできるだけ詳しいことおしえてもらって」

「ハーイ」

パーサー、飲みかけのコーヒーをすすりにギャリーの奥へ。

「正直に言ってくださってありがとうございます。ひとまず現状を把握したいんですが、生徒さん一人一人に体調を聞いてまわれますか。搭乗前の食事についてもおしえてください。」

―――――――

キャビンは消灯。

9人目がおう吐した。

キャプテンはオランダ、スキポール空港のヘルス・ケアと無線でやりとりし、今のところ集団食中毒の可能性が高いという見解をクルーに伝えた。ただしウィルス感染の可能性もまだ捨てきれないと。

「トイレ、別にできるか?」

「わかりました。後方2カ所を彼ら専用にします。」

「水分補給と。情報共有、頼むな。」

「了解です。」

コックピットを出て考える。

今日朝食を摂る前から数人に症状が出てた、ってことは昨日のディナー?だけど食べ物にあたった場合2~3時間後には体が反応するはず。バクテリアの種類で潜伏期間が違う・・・?

とにかく感染症だけは勘弁よ。

ギャリーにはヴォッカのボトル(※)が鎮座していた。

「アッ!きたきた、大将も早く!」

急かすオランダ人クルー。ここはいつもにぎやかで癒される。

※ヴォッカで手洗い

以前勤めた航空会社は途上国路線が多く病気のお客様の扱いも日常茶飯事。諸々の処理の後、クルーはドリンク・カートからヴォッカを取り出し簡易消毒液に使っていた。

世界一衛生的といわれる日本線でコレやるなんて。想像だにしなかったわ。

「助かる。ありがと♪」

笑顔の心中は、

変なウィルスもらってなるものか!

殺菌、殺菌殺、菌ーッ!!

―――――――

その後も10人、11人・・・おう吐する生徒は増え続けた。

サービス終了以来、大将とパーサーは生徒集団にかかりっきりだ。トイレチェックやコールベル対応等、本来の仕事ができずにいる。満席のキャビンをマイナス2でまわすしわ寄せがそのまま同僚とその他のお客さまへいってしまう。

まったく異常なしだった生徒が突然座席で吐いてしまうというケースも数件あり、その都度我々クルーはビニール袋や手袋を持って駆けつけた。汚物は自身で処理、指定のトイレに捨てるよう説明する。

猛省を経てすっかり協力的になった添乗員さんが生徒を手伝う。この人も付きっきりだ。

予期せぬ急病ならまだしょうがないわよ。

わかってて持ち込むなんてもう!

ふつふつとこみ上げる、やり場のない怒り。

何より辛いのは生徒たち。

吐くほど気分がすぐれない状態で10時間半のフライトを強制され、「大人の都合」の犠牲になった。

「あと○時間、あと○時間・・・」 カウントしながらじっと耐えているんだろう。

―――――――

目的地到着30分前、

不調を訴える生徒は13名に達した。

キャプテンは集団食中毒でほぼ間違いないだろうとの見解を示していた。

同僚に「大変だったね、おつかれさま」とねぎらわれ、私からもお礼を言う。

添乗員さんに挨拶を済ませジャンプシートへ。

タッチ・ダウンの瞬間、

自分の体からすうっと何かが抜けていくのを感じた。

いけないいけない!ドアが開くまでは。

そのまま天に召されちゃうかと思ったわ(笑)。

―――――――

地上では検疫官が待機していた。

学生団体を最後に降機させるよう指示が出る。

一般のお客さまが降りたのを確認し、生徒たちはドアへ向かって力なく歩き始める。うち3人は車イスに乗せられた。

これから彼らは入国審査レーン脇の別室にて健康検査にかかる。長時間機内で耐えたあとの、更なる拘束。どんなにしんどいだろうか。同情してもしきれない。

高校生といえどまだまだ子ども。どうか大人の皆さん、今後は同じことが起こらないよう適切な判断をしてくださいと、切に願ったフライトだった。

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My Husband

ビジネスクラスにて。

ボーディング時からものすーっごい不機嫌な日本人ビジネスマン、年のころ45(たぶん)。

ここに来るまでに何かあったの?

それともオリジナルがこうなのかしら?

「お飲み物はいかがですか。」

「ソーダ」

「恐れ入ります、もう一度お願いします。」

「んぁ?ソーダだよ(怒)。」

ひェ~!

サービス中、私が手に何か持ってる時に限って無言で呼び、ご自分のテーブルを人差指でツンツン。

あ、下げて欲しいのね。

私に3本目の腕があるといいんだけどね。

ハイハイすぐうかがいますから。

お食事を他のお客さまの席へ運んでる時も

「・・・」

ツンツン。

あのね、いまきれいなもの持ってるの。

アナタの使用済みカトラリーは・・・キタナイとは言いませんが。

まったく、食べ終わった瞬間に下げてもらいたいのね。

うーん、それを全員にするとサービス終わんないぞ。

ついでに回収したトレイ、色んなものが散っててえーっらいキタナイんですけど。

大将、だいぶ我慢しました。

プラスティック・スマイル全開。

そしてついにカチン。

ギャリーに戻り、反対サイド担当のオランダ人クルー(年のころ55、女子)に相談。

「あのさ、」

「なーに大将?」

「1Aのビジネスマンなんだけど。」

「あーあの無愛想なひと。」

「わたし今後あの人のこと、'My husband'って呼ぶからよろしく。」

「へ?もしかしてむっすりしたのがタイプ?ってかそんなに結婚焦ってんの?」

「ちがーう!」

「なんで?」

「Husbandって呼んだらちょっとでも愛がもてる気がするの。さもなくばブチギレて大変なことになりそうだから、自制。」

「ハッハー!」

以降、

'How's your husband doing?'

パーサーまで聞いてくるようになった。

'He behaves better now. All about my love, isn't it?'

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最大のミステリー

ハイ。

昨日、搭乗していらしたばかりのお客さまが

おもむろに機内備え付けのコートクロゼットとにらめっこしていました。

もしやと思い、声をかけてみる。

'May I help you, sir?

'Toilet?'

クロゼットの扉(観音開き)を、トイレと勘違いしたらしく。

・・・

よくあることです。

近くのトイレをご案内しましたが。

この前同じ扉をご開帳中の女性もいましたから。

止めようとするも間に合わず、

そこに便器がないことにびっくり仰天のご様子でしたけど。

はて?

そんなに似てるかなぁ。

う~ん、ミステリー・・・

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恐るべきお仕置き

しばらくこのネタ、「お客さま対処法」で書いていなかったことに気づく。

ハイ。

機内でお客さまが暴れ、どうしようもなくなった場合

私たちキャビン・クルーにはなんと「縛り上げる」権利があります。

やっほい♪

いやいや実際行使したことはないんだけど、

キャプテンの許可で可能なのであります。

ほかのお客さまに聞こえるよう最終勧告をし、4人がかりですばやく取り押さえる。

簡易手錠(プラスチック製)で体の自由を奪ったら

到着後、現地警察に身柄を引き渡すと。

やっほい♪

いやいや実際相当な迷惑行為にしか適応されないのよ。

(ex:他者への暴力や機内での破壊行為)

当然、

「アタシこの前縛ったよー」

なんて会話は超レア。

しかし

そんな場面に出くわして果敢に飛び出していけるのか自分?

・・・いっちゃいそうだなァ

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この感覚の違い!

先日のヒューストン-ドバイ

ちょっと??な出来事があったので、ネタに。

1回目のサービスが終わり、機内は消灯。

お客さまもzzz、静かな時間が流れだしたビジネスクラス。

暗闇の中、キャビンを歩いていたら・・・

!!

誰!?

最後列に、見たことのないインド人男性が腕を組んで寝ています。

この人ビジネスクラスのお客さまだったかしら?

疑問に思いながらギャリーへ戻り、男性の座っているサイドでサービスを担当した韓国人の同僚に聞いてみる。

「あのさぁ」

「なに?」

「11Gって、誰か座ってたっけ?」

「(座席表をチェックして)うーん、誰もいないはずだよ。どうした?」

「誰か・・・いる。」

「へぇぇっ!?」

「ちょっと行ってくる。」

―――

以下、大将/インド人男性

'Excuse me, sir.'(声をかけて起こす)

!!  'Yes.'(起きた)

'I guess you are a customer from economy class, aren't you?'

'My back pain. It's sitting only.'

'I do understand, but this is business class.'

'I have a pain and just sitting here. It doesn't matter!'

'Sorry sir, it does matter unfortunately. We cannot do something like this unless we are told from our senior. Could you kindly go back to your seat?'

'Now?'

'Yes, sir!'

―――

すみません、お客さま。

!!ハイ。

失礼ですが、エコノミークラスのお客さまでしょうか?

背中が痛くて。座ってるだけなんですけど。

大変恐縮ですがこちらはビジネスクラスですので・・・

座ってるだけで何も迷惑かけてませんよ。問題ないでしょ?

・・・

カチーン!!

問題大アリですお客さま。このようなお座席変更は上司の許可がない限りできないことになっています。元のお席にお戻りいただけますか。

今すぐ?

今すぐです(怒)

―――

反省のかけらもなし。

インド人のこういうところ、慣れてはいたけど

カーテンを開けて勝手にビジネスクラスへ来ちゃうのは反則よね。

そして注意すると、開き直る。

具合が悪いときはまずクルーに事情を話してくださーい。

(ちなみにこの日のエコノミークラス、搭乗率65%で十分な空席がありました)

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苦情②' ミールチョイス

フル(満席)のビジネスクラスで

お客さま全員がお食事を召し上がるって、

実は大変なことなんです。

「要らない」とおっしゃるお客さまがいれば(たいてい何人かいる)、必然的にミールの数にも余裕が出るんだけど。

なにせ全員・・・

チョイスを切らさないで最後のお客さままでたどり着けたら

まさに天才

そしてこの日の大将、

・・・天才でした。

感動してちょっとトリ肌立ててたその時、

落とし穴が!

反対サイド担当の外国人クルーがヘルプを求めてきたのです。

嫌な予感。

そもそも「ヘルプ」って、あんまりいい響きじゃないのよね。

十中八九良くないことなんだもん。

今回もやっぱり・・・

「あそこの女性二人、二人ともビーフをリクエストしてるんだけど、あと1つしかないの。英語で言っても解らないみたいだから、行って日本語で説明して。お願~い!」

あ、そ。

せっかくトリ肌立ったのに。

パーフェクトだったのに(涙)。

どうせ尻拭いの日本人クルーですよっ(怒)!

日本人クルーが日本語で日本人乗客に謝る瞬間がどれだけ辛いか

外国人クルーは知らないのです。

さぁて

気を取り直して、というか覚悟を決めて・・・

きもーちへっぴり腰で、キャビンへ。

「○○さま、失礼いたします。」

「あら、ねえ、なんて言ってたのさっきの人?」

「はい。メインのお食事の件で、」

「お二人ともビーフをご希望とのことですが、大変申し訳ございません、こちらの都合でお一つしかご用意できないものですから・・・」

「あらなぁに、ないの?」

「もー!ないないって、あなたそればっかりじゃない!*」

あ、これはまずい。

すぐに、持ってきたメニューをお客さまに見えるよう広げ、

ビーフ以外のチョイスについて詳しく説明。

ひととおり終わって、

「じゃ私、チキンにするわ。」

おひとりがそうおっしゃってくださいました。

「申し訳ございません、ありがとうございます。」

良かった!

ィヤンもう、神さま仏さま、アッラーさま☆

ホッと胸をなでおろしギャリーへ戻った大将。

さあ

大切なのはここから。

一度つけられてしまったマイナスポイントをこれ以上マイナスにしないために、そしてあわよくばプラスにするために、他のクルーと情報を共有します。

*話が前後するんですが・・・

この女性二人のうち、とくにお怒りの窓側の女性、

ボーディングから機嫌を悪くしてしまわれていて。

(機内サービスに「スリッパ」がないと苦情が出た。本人いわく、あると思って持参しなかったそう)

だから、

「ないないって!」

なんですね。

スリッパはお客さまも大きな声をあげてご立腹(というかほとんどダダ・・・)でしたし、おひとりさま分くらいならファーストクラスから持ってきてもよかったんですが、

今日に限って周りがほとんど同じツアーのお客さまなため、不平等になるということで断念。

二度目の「ない」はミールチョイス。

つまり、

三度目の「ない」は許されません。

私たちクルーは、①二度目のお食事でこのお客さまの希望を優先させる、②フライト中こまめに様子をうかがい、③必要によってはこちらから声を掛ける、など、エクストラケアの確認をしました。

まあなんというか

その甲斐あってというか

フライトが終わるころにはご機嫌に。

―――

カーッとなって、思ったことをすぐ言っちゃう、

(まさに大将自身みたいな、反省。)

このタイプのお客さまは、比較的リカバーしやすいのが事実です。こちらが丁寧にアプローチすれば何がどう不満なのか全部話してくれますから。

(今回のケースは、期待したものが「ない」ことが不満だった)

そして思ったことを全部言っちゃう人は、がある人ですから。

(自分への言い訳にきこえるなァ・・・)

誠意をもってきちんとフォローすると、

必ず、こちらの強い味方になってくださいます。

―――

ちょっと長く書いたので今日はこのへんで。

また次回。

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苦情② ミールチョイス

ハイ。

一日あけてこんばんは。

二回目の今日は、ミールチョイスに関する苦情。

―――

日本線ビジネスクラスにて、離陸後の機内サービス。

ドリンクを提供しながら、次に出てくるお食事のチョイスを伺っています。

うちの会社、長距離線ではだいたいメインメニュー4つの中から選んでいただいておりまして、

その日もキャビンに出る前、ギャリー担当のクルーと

「左サイド、ジャパニーズ○つ、ビーフ○つ、チキン○つ、ローカロリー(カロリー控えめ)○つね。あと万が一のためにエクストラ(余分)が一つずつあるから、必要なら言って。」

なんてやっていたわけです。

以前記事にしたとおり、機内食はそれぞれの数が限られています。

よって

自分サイド(この時は左側)にあてがわれた分で勝負(?)しなければなりません。

腕の見せドコロです、大将さんっ!

そろそろ~っとキャビンへ。

!!

ほへー!?

お客さまが

全員起きてる・・・

(絶句)

日本発23時台のこのフライト、

通常半分くらいがドバイ駐在の男性ビジネスマンなため、一部の方は寝てくださるんですよ。

はじめから「食事要らないから」っておっしゃって。

しかーし!

この日はなぜか大きなツアーの団体が。

ビジネスクラスを占拠していたのは

旦那は会社役員で最近円満退職しましたのよ。

今回は話題のドバイでお友達とバカンスですの~

みたいな

小ぎれいな60代マダムたち。

(勝手に年齢見積もってごめんなさい、でも当たってると思う。)

その↑旦那

・・・

そういうわけで

みなさん、お召し上がりです。

・・・

チョイスが切れないことを祈りながら

明日に続きます。

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苦情① 座席

今日から少しの間、

ビジネスクラスで起こりうるお客さまからの苦情をひとつつずつ取り上げていきたいと思います。

どこまで続くかわかりませんが

お付き合いのほど、よろしくどうぞ(^^)

―――

苦情① 座席

今日のフライトは満席。

ボーディング中、席に座らずギャリー横に立ったままのお客さま(オーストラリア人男性)が。

'May I help you, Sir?' (どうかなさいましたか?)

'Oh, I booked 11D on internet, but the ground staff gave me 10E, which is in middle.' (ああ、インターネットで事前に通路側の11Dを予約したのに、なぜか真ん中の10Eになってる。)

・・・

インターネットで座席の事前指定ができるようになって以降、

この手のミスがどうしても出てくるように。

お客さまからしたら、何のための事前指定かわかりません。

当然こちらに非があるため、できる限りの対処をする必要が。

しかしキャビンは満席。

加えて、通常通路側にお座りのお客さまのほぼ全員が、リクエストしてその席をゲットしています。

さーてどうするか。。。

 ①まず謝罪

 ②シニア(ビジネスクラスの責任者)に報告

 ③空席がないという事情をお客さまに話して、とりあえず10Eに座っていただく

  この辺りで事情を察して席を譲ってくださるお客さまが出る

  ・・・なんて嬉しいハプニングが、たまに♪

 ④サービス中、通路側の「おひとりさま」のようすを観察。ギャリーに近く、雑音が気になる、女性の場合は、となりが男性で居心地が悪い、体臭がきつい(笑っちゃうけど大事)など、苦情はないか

 ⑤もしもいたら、事情(あいにく満席でほかに空きはないが、通路側を希望するセンター席の男性がいるので、彼となら交渉が可能である旨)を伝える。

 ⑥お客さまが乗り気なら、実際に男性の席を見ていただく。

 ⑦お互い合意の上で、席を交換。

 ・・・

  ハッピーエンド

 ・・・

に、

ならなかった時が問題でして。

そういう時は、サービス・リカバリー(Service Recovery)をします。

具体的には

 ‐会社に提出するコメントフォームに記入をお願いする

 ‐必要があれば責任者と話してもらう

 ‐お客さまの様子をこまめにチェック

 ‐少しでも快適に過ごせるよう、必要な備品を提供する

 ‐それ以上不快にさせないようクルー全員で細心の注意を払う

 ‐お詫びの品を持っていく

など。

たまに

「はァ?ファーストクラスとか、ないの?」

とのたまう(特に日本人の)お客さまがいらっしゃいますが

(うふふ。ええいますともそんな輩が。)

あらスミマセン、

ごく一部の例外を除いて、ほぼ不可能です。

たしかにビジネスクラスのお客さまにはかなりの金額払って乗っていただいてますけども、ファーストクラスのお客さまはそれ以上ですから。

申し訳ありませんが、

あくまでビジネスクラスの中で

できる限りのことをするというのがルールでございます。

その代わり

本当に本当に、できる限りのことはさせていただきます。

どうぞご心配なく。。。

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説教byヴィーガン

こんばんは、日本線から帰ってきました、大将です。

今回

お客さまの中に一人、ヴィーガンが!

ヴィーガン、詳細はこちら(ウィキペディアより)

彼は

見るからに

、毎日食べてます!!」

って感じのタフな中年イギリス人だったんだけど、

実は肉も魚も卵、乳製品さえも

いっさい摂らない完全な菜食主義者。

ほへー

サービス中に話しかけたら、

自分が科学者であること、

健康のためにヴィーガンになったことなどを話してくれました。

その意志の強さに感心&見た目とのギャップに驚く大将。

私もちょっと健康指向ですが

(雑穀ごはん、豆製品、青汁を毎日)

仕事のストレス(?)から、フライト後はスナック菓子にアディクト(依存)してしまいがち。そんなことを話したら・・・

彼、

OH、NO~!!

みたいな顔になって、

それから延々と、一般に出回っている食品がどれだけ体に悪影響をおよぼすか、特に添加物のかたまりであるお菓子の害や、肉、乳製品の強い毒性(あるのかい本当に?)について説かれました。

軽く説教・・・

いや、いい人だったんだけどね。

でも純粋に考えて私たちみたいに飛ぶ仕事してたら無理っしょ。

機内食は保存料なしにはありえないし、

高資質&高カロリーで、体にいいとは決して言えないもん。

超ヴィーガンで有名なマドンナなんか、どこへ行くにも専属の栄養士兼調理師を連れてくらしいし。(しかも日本人とのこと)

いやぁ

・・・

無理っしょ。

そんなに意志、強くないもん・・・

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